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お問合わせ
labo@pan-records.com
Pan Records

戦前ブルース音源研究所

Pre War Blues Laboratories

 

  【3枚目の写真の信憑性に迫る】


 

 

 BSR100号に突如掲載された、ロバート・ジョンソンの3枚目となる写真。初めてご覧になった方は度胆を抜かれたことでしょう。

 fig-22

この写真は実際は、2005年に海外のオークション・サイトに出品されたものでした。ことの経緯は2008年のVanity Fair誌に掲載

されていますので、ご覧になって下さい。


http://www.vanityfair.com/culture/features/2008/11/johnson200811

今回のBSRに掲載された写真は驚くべき修正が加えられ、オリジナルの写真では破れて欠落していた部分もCGによって完全に修

復されて、まるで真新しい写真のようです。 (BSRでは写真に修正をしておりません)

この修正された写真は、「ROBERT JOHNSON BLUES FAUNDATION」において公式に発表されたものです。


http://www.robertjohnsonbluesfoundation.org/


このサイトのここに掲載されています。
http://www.robertjohnsonbluesfoundation.org/photos/188

すなわち、この3枚目の写真のギターを持った人物こそロバート・ジョンソンであると、公式に認められたわけです。

さて、この写真、一切の情報が有りません。隣のゴッツい腕時計をはめたイケメンが友人のジョニー・シャインズだということです。
二人とも非常に若く見えます。20そこそこか、ひょっとしたらティーンエイジャーにさえも見えます。

幸いにも、この3枚目の写真にもギターが写っていますので、このギターから、この写真がいったいいつ頃の写真か判断できない

でしょうか?                   非常に特徴のあるギターです。  【山本】




私は そのオークションをタイムリーに存じておりました。 当時私はブレイク検証の為に海外オークションサイト

e-bayを毎日チェックをし、資料を集める日々でしたので、ロバート・ジョンソンの写真と言って売りに出している

売り手とコメントを知り 苦笑したのを記憶しております。 早速 ヴィンテージギターコレクターの仲間に知らせ

当時このギターが偽装写真(合成)ではないか?となった事を覚えております。

連絡をしたアメリカの知人は、すでにこの写真を知っておりそこに写るギターの不自然さを指摘しておりました。
売り手はその情報・鑑定を知っての上でオークションに掛けたのではないかと、当時は想像していた事を記憶してます。   【菊地】


【ギターから年代を探る】 




 このギターのヘッドをご覧ください。
 fig-23

 

 

まず 写真から年代を割り出すヒントとして、ボブとされている男が持っているギターを検証しましょう。

特徴的なのは ギターのヘッドストックです。

ソリッドヘッドに 幅の狭い特徴、この様なヘッドは1930年代には少ないです。
1930年初~中期の多くのギターヘッドストックは、この様なスロテッド(切削)加工であり、 fig-24  
ソリッドヘッドはそれほど多くはありません。
もちろん一流ブランドのGibsonやKay kraftモデルでは、ソリッド・ヘッドを早い時期から採用しておりますが、圧倒的にスロテッド・ヘッドが主流です。

それでも 30年代後期になるとkayやRegalなどのメーカーから、徐々にソリッドヘッドストック・タイプのモデルがリリースされて行きます。
National のResonatorにも採用されてました。

次の3枚写真をご覧ください。
 fig-25    fig-26  fig-27

 1940年代のKayです。                   1940年代のRegal                          1950年代のKayです。

ソリッドヘッドを採用していたモデルの中から、ヘッドの幅も狭く良く似た形状のギターヘッドをご紹介致します。
年代毎に、良く似たヘッドを並べてみましたが、fig-25は、時代的には40年代に多く販売されておりました。
fig-23 を見るとヘッドマークがある様です。 デザイン的には1950年代のkay( fig-27)に似ていますが、同じKayfig-25 の1930~40年代
には このデザインのヘッドマークはまだ採用されていなかったようです。

ヘッドのシェイプは Regal (fig-26) のシェイプにも似ておりますが時代は1940年代です。

 fig-23

写真 fig-23 は、チューニングマシン(ペグ)が壊れている様に見えます、手前のペグボタン(ツマミ)は無い様です。
さらに 弦を巻く部分の軸が 1弦にはあるようですが3弦には完全に無い様に見えます。

これはどういう事なのでしょうか、3弦のペグチューナーを取り外し、1弦のペグチューナーが残っている。
この状況で思いつく事は、3連ペグではなく、セパレートタイプのペグではないか?という想像です。


 fig-25         fig-25_2    

もう一度 fig-25 をご覧ください。  fig-25_2 はネック裏側からのショットです。

保管状況が非常に悪く、3弦 4弦のペグ(ボタン)が取れてなくなっております。
しかし、弦の巻き軸は残っております、ペグのボタンシャフトは折れてしまったがギアと弦の巻き軸が残っている状況です。

巻き軸を敢えて外すのであれば、裏のギアなども分解する必要がありますが交換をするのであれば3連全ての交換となります。

fig-23の様に 1弦の軸を残して3弦だけ外すというのは セパレートタイプのチューニングマシンを採用していたという事でしょうか?




1900~1930年~1940年代のチューニングマシンは 3 on plate といって3連のペグになっております、もちろん現在でも現行規格です。

 fig-28                fig-29

その後 セパレートタイプのチューニングマシン(fig-29)がリリースされてゆきますが、多くはエレクトリックギターに採用されます。

セパレートタイプのチューニングマシンは、1930年代一部高級ブランドギターに採用があるものの、チープなアコースティックギター
に多く採用される様になるのは 1930年代などではなく、50年代以降でしょう。

弦の捲きとり棒が、個別に取れる構造を考えると fig-29のようなタイプを想像するのが簡単ですが、もちろん3連のペグでも 
一コマづつ分解は出来ますので、時代の絞り込みには不十分なポイントかも知れません。

いずれにしましても、1940年代以降に多く流通したソリッドヘッドであること他社のヘッドに比べ幅の狭い特徴を持っている事など
メーカーを絞る事が出来、推測でこのギターは1940年代以降である可能性・確率が高くなっていきます。

* ここまでの参考写真は、大きく修復される前の写真から検証を行っております。


 fig-28

修正?された写真は こんな感じ(笑)  なんじゃこりゃ?

これは ソリッドヘッドですから ヘッドの横にはギアの跡や穴などはありませんけども、おそらく修正をした人にギターの知識が
無い為に、スロテッド3連ペグの様に横に何かがあった痕跡を付けたようです。          【菊地】




【ギター全体を見る】

 このギターを 全体で見た時に一番初めに感じた事は、ギターの全長のが不自然である事でした。

ロバート・ジョンソンと勘違いされた男の右上腕から小指に掛けて写真は破れている様です、この破れた部分を綱いた為に
ギターのボディが短くなってやしないだろうか?

ここで ブレイク写真検証で採用した 物差し を出す事にします。

3連ペグ(3 on plate tuning machine) の6弦軸と4弦軸 (外-外軸)の芯-芯(c-c)の距離は、今昔統一規格であります。
C-C の値は、69.85mm(2 3/4inch)です。 


今回は、写真の中でこの物差しを基準@として、簡易的な計測をしてみます。

  fig-29

 遠近の誤差もあると思いますが、まず一番怪しいポイント、フレットピッチ理論の計測に有効なハーフスケールを写真に置いてみます。

【スケールの検証】

このギターは 弦が張っていない為に、テールピースタイプのギターに必要な可動式のブリッジがありません。
スケールとは、ナット(0フレット)からブリッジまでの距離の事を差します。

この場合は、ナットからブリッジがあるべき仮想ポイントまでが このギターのスケールです。

 ではナットから12フレットまでの長さの物差しを、12からブリッジに当ててみます(fig-29 内 上部の赤線青線) 

結果 : ご覧の通り ブリッジの仮想ポイントを遥かに超えてテールピースの部分に及びます。 これではギターになりません。


【ボディの長さが不自然である】

もう一度確認します。

ペグの外ー外センターの長さは、今昔統一規格の69.85mm (2 3/4インチ)
 
判り易くするために ナットから12フレットまで     と順に物差しを置いて行きました。

12フレットのポイントまで大体ですけども4つ分 69.85x4=279.4でした。  x 2 でスケール558.8 
これは22インチスケールになります。

ついでです。 さらにボディのエンドまでが 69.85x9=628.6cm 24 3/4インチ程度です!アホか!
 
これでは ナットからボディエンドまでが、通常のパーラーサイズのギターのスケール長になってしまいます。

もちろん正確ではないですが 明かに不自然です。  

さらに良く見て下さい。
    fig-30     fig-31

ボディのUpper BoutのラインがLower Boutに対してずれてます。

これらの事実より 数年前に私はアメリカのビンテージギターコレクター達とのやりとりでこの写真自体が合成ではないか?
というショッキングな結論を出したのでした。

今回 ロバート・ジョンソンの写真の謎 という特集の為に改めてこの写真を検証してみますと、この写真は合成写真ではなく
単に破れた部分が欠損し 短く合わせてしまった写真と判断いたしました。

 fig-32

すげぇ 見事なまでのデタラメ修正。 だから手 小指の生え際とかおかしいでしょ (笑)
手の甲に対して指の長さバランスおかしいでしょ。指長く見せたいのは判るけど、、、。

 無理ありますって。。。エイリアンかよ。【菊地】




 


  【ファッション面からの考察】



 fig_22

世の中には、それぞれその道のマニアというか専門家の方々がおられます。

1930年代のファッションについても、そういった方々が、我々の想像をはるかに超えた活動をなさっておられるようです。

こちらのサイトを是非ご覧ください。
http://www.the30sstyle.com/

「Silhouette & Detail」という項目を開くと、まず真っ先に目に入るのが、ボブがフックス・スタジオで身につけていたのと
全く同じシルエットのスーツです。

「昔ながらのブリテイッシュ・スタイルの王道を行く、ドレープ感溢れるシルエット。全体的に見ると上着はタイトめで、対し
てトラウザーズは現代のものに
比べてゆったりとしているのが大きな特徴である。上着のタイトなラインからトラウザーズへのゆったりとした流れが、現
代のスーツにはない独特でエレガントな雰囲気を醸し出している。」

と書かれていますが、正にボブのスーツの特徴を言っているようにさえ思えます。

このサイトには、スーツ以外にも、1930年代の革靴であったり、ネクタイや小物関係に至るまでの資料が満載です。

「Gallery」の項目のは、数々の1930年代のヴィンテージ・スーツの写真が掲載されていますが、ボブ3枚目の写真の様
なシルエットのスーツは一つもありません。

3枚目の写真の様な、ダブダブの上着にズボン、細いネクタイ(またはノータイ)、鍔広の帽子・・・。
こういった特徴のファッションは1930年代にはどうやら無さそうです。

写真に写る人物がボブシャインズだとしたら、随分若く見えます。
ダイムフォトが1930年代初頭の写真ならば、この写真は1920年代終わり頃の写真ということになります。ボブが10代
の頃でしょうか。

1920年代後半にこんなファッションが流行っていたのでしょうか?

我々が知る、このダブダブ・ファッションは、1940年代のズート・スーツでしょう。
キャブ・キャロウェイや、ドゥーワップのグループにそのイメージが強いです。

ファッション面から見ても、ボブ3枚目の写真はどうも疑わしいの一言に尽きます。

【山本】


 【想像と見解 結論】


この写真はファッション誌か何かの破れた写真を 当時 誰かがカメラで写したのではないでしょうか?

  通常の現像写真であればある程度の厚みがあるはずですし、写真を発見したと言ってファッション誌の切り抜きに大騒ぎしないでしょう。

しかし、写真の内容は正に安い雑誌のモデルの様でもあります。

ファッション誌の被写体がカッコいいと思ったミーハーな 女の子が親父のカメラを持ちだして撮ったんじゃなかろうか?

若き日のロバート・ジョンソンが楽器の役目も果たさない弦も張っていないギターを持ちジョニー・ジャインズと並び写真を・・・・ 

「ん~ 。。。  で なんでこいつら 帽子 交換してんだよ!」(笑)

ギターの構え方は、正に素人 ! ギターが演奏出来ない素人の構えであります。
まだ ギターが弾けなかった若き日のロバート・ジョンソンは1940年代から50年代以降に流行ったギターを抱えているのです。

この写真を見て 顔が似ている 面影がある なんて言う人がいらっしゃるのだろうか?


イギリス 戦前ブルースのリサーチ情報を提供していた知人(A.S氏)の見解を伺ったところ、彼は生前のジョニー・シャシンズ本人にも
インタビューの経験があると言い その時の印象を振り返り 私にこの様に言いました。

彼は あのような眉毛ではない」 と(笑)

ブルースリサーチャーの知人は完全に右の男はジョニーではないだろうとの見解でした。

ヴィンテージ・ギター&ブルースのリサーチャー(N.H氏 R・O氏)は、「とてもまともな写真とは言えない、合成写真だろう」と
ギターから判断しました。

その後、3~4年が過ぎた本年度、恐ろしいCG合成を 施したロバート・ジョンソンの3枚目の写真が公開されたという運びです。

もしこれが、ロバート・ジョンソンの若い頃の写真であるとするには、1920年代終わりから1930年初頭に撮影された事になります。

ファッション、ギター、それから一旦破れた写真を短く繋いだ写真である事・・・・ 似ても似つかないジョニー・シャインズの若き姿。。。

総合的に判断して 私達はこの写真はデタラメ写真であると断言したいです。

ロバート・ジョンソンであるとするには、あまりに杜撰であります。



  【余談です】
   

PS:1989年~90年頃 私はロバートジョンソンの横 (左右?)に誰かが写っている写真を見た記憶があるんです。
それが、どこで見たのかが思い出せないのです。

国内の雑誌のはずがないとも思うのですが、当時はロバート・ジョンソンのコンプリートLP/CDが発売になるとかで
スーツの写真が公開された時期に被っているのです。

一度に複数の写真が出たという弱い印象の記憶、渡米してLAのOLDな楽器屋さんの入り口にロバート・ジョンソン
のスーツのポスターが貼ってあって、こんなの日本じゃまだ無いぞ と思ったのを強く記憶しているのです。

その頃 そこで見たのかも知れないし。。。なんと言っても目的が祈願のDOBRO購入でしたから 写真はオマケでした。

両脇に誰かが写っていた様な気がするんです、それとも夢だったのかなぁ・・・・と遠い日の記憶です。

公開されていないのですからそこでも見れるはずがない気もします、、、やっぱり記憶違いだろうか・・・・ 

あれ? あの外人のおっさんだったかなぁ・・ ハハ ダメだこのポンコツ頭め メモリーオーバーなんだな・・・【菊地】

 


                     【最後に】


http://www.robertjohnsonbluesfoundation.org/sites/rjohnson/files/110414_affidavit.jpg

この写真は、ロバート・ジョンソン財団のホームページに掲載されている、この「3枚目の写真がロバート・ジョンソンに間違いない」、という宣誓書です。

世界中の識者から疑いと否定の意見を浴びせられながらも、財団はいち早くこの写真をロバート・ジョンソン本人であると法的に認めたのです。

なぜか?

何度も言いますが、ロバート・ジョンソンの残したものは、莫大な金を産みます。もちろん億単位でしょう。

財団にとっては、もはや、この人物がボブであろうがなかろうが、そんなことはどうでも良いのです。

この人物を財団が法的にボブであると認めた瞬間から、この写真によって財団は巨万の富を得ることができるのですから。

実においしい商売です。

こりゃ、今後まだまだボブの写真がいっぱい出てきそうです。

やせ形で、指が長くて、左目が悪い黒人の若い男なら、だれでもボブになれそうな勢いです(笑)。

でたらめ音源を聴かされつづけ、わけの分からない写真を見せられ、結局本当のボブは未だに我々の前にその本当の姿を現していないのです。

            さあ、本物の悪魔のお出ましです                                 【山本】   【戦前ブルース音源研究所】


  追記:2013_3_18  海外サイトより新たな検証記事です。(情報提供 左海様ありがとうございます)    

 海外サイト Old Time Party へ




 右側のあんちゃんのスーツが 女モノだってよ。  ネガの逆焼きだそうです。
すると ロバート・ジョンソンは 左利きだった事になります・・・・・ 
どうしようもねぇな 大笑いです  お粗末な話でした。 【菊地】

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写真については こんなもんじゃすまない 最終章暴露 驚愕の事実→ 公開を待て!


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